【ダンゴムシちゃん】

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今月グラス2Hオークションに登場するのは、【ダンゴムシちゃん】
この作品をみなさまにもっと知ってもらいたくて、あらためて誕生させました。

優しい丸い塊のガラスの【ダンゴムシちゃん】を握り、その内部をのぞくと、菌類の間で小さなモゾゾが3匹棲む世界があります。
外形のダンゴムシには節があって、内部の世界は場所によって見えなくなったり拡大したりします。
そんな中をあちらこちらの向きから覗き込み、この宝物の中のモゾゾたちの暮らしをそっと見ることで、私はほっこりした気持ちになります。
(グラス2H【ダンゴムシちゃん】のページ原稿より)

【ダンゴムシちゃん】をを握り
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中をあちこちから覗くと
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こめつぶよりちっちゃなモゾゾの暮らしている場が見えます。

3匹のモゾゾの2匹は水場で向かい合い、1匹は少し離れたところに居ます。
3匹の関係はわからないのですけど、仲良しだったらいいなあ、と思うのです。
それぞれの性格を想像したり、このあとそれぞれはどう動いて何をするのかと考えてみたり、じっとながめながら飽くことがないのです。

ダンゴムシちゃんの中の世界は大きく分類して3層になっています。
ガラスの中の地面といえる芯に近い層には、水たまりや粘菌の子実体やチャダイゴケや虫コブから想像したモチーフがあります。
一番表面の層には地面を覆う落ち葉や樹皮や先述と違う切り口でチャダイゴケから想像したモチーフがあり、下の世界を部分的に見えなくしてモゾゾたちを守っています。
間の層には空気に含まれる水滴や生き物から出る粘性のものが、小さな泡粒やガラスのうねりとして存在します。

今月のトップページにも「ダンゴムシとわたしの小さなおはなし」と題して【ダンゴムシちゃん】をとりあげています。
こちらの写真のダンゴムシは別の個体ですが、おはなしとともにあらためて見ていただけると嬉しいです。
トップページ・・・http://iso.cx/index.html
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オークションが終了しました。ありがとうございました。
後日このページを読まれる方の為にこちらにオークションでの【ダンゴムシちゃん】の紹介記事を転載しておきます。
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庭の片隅の少し湿気た吹きだまりの下や山の樹々のふりつもった落ち葉の下を覗き、じっと目をこらして見るという楽しみがあります。
じっと見ていると、そこには小さな生き物たちの世界があることがわかります。
小さなトビムシやワラジムシ、ちいちゃなヤスデ、蟻さんやらハサミムシやら。
そしてそんなちいさな子たちのまわりを囲むのは落ち葉をごはんにして分解する菌類の数々。
じっとながめていると、そのちいさな世界に愛おしい気持ちがわきあがってきます。

記憶をたどればそういう楽しみの一番最初は幼稚園のころ遊んだダンゴムシだったように思います。
そして、たくさんの人が私と同じ経験の記憶をもっていると思います。

この作品【ダンゴムシちゃん】は、そんな記憶を持った人が、電車の中でも、仕事の合間でも、家事や介護の合間にも、いつでものぞける小さな世界を魔法のお守りのように持つということをイメージして生み出しました。

優しい丸い塊のガラスの【ダンゴムシちゃん】を握り、その内部をのぞくと、菌類の間で小さなモゾゾが3匹棲む世界があります。
外形のダンゴムシには節があって、内部の世界は場所によって見えなくなったり拡大したりします。
そんな中をあちらこちらの向きから覗き込み、この宝物の中のモゾゾたちの暮らしをそっと見ることで、私はほっこりした気持ちになります。

そしてこの作品を覗き込む方におなじくほっこりした幸せな気持ちになっていただくことを願っています。
2021/10/22 23:13 Update
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