【土に還る】のおはなし


タンポポ綿毛の旅

第1章
ある晴れた日

タンポポの綿毛が晴れたお空を飛んでいきます
どこまでも、どこまでも

大地ではゾウムシが1匹、空を見上げ、タンポポの旅を見守っています

第2章
旅は続く

日が落ちて、夜になってもタンポポの綿毛は旅をつづきます
空にはお月様

大地ではカミキリムシがタンポポの旅を眺めています

第3章
土に還る

長い空の旅を終えて、タンポポの綿毛はとうとう大地に着陸しました
そこに通りかかったのは大きな糞玉を転がすフンコロガシ

ごろんごろんと転がる糞玉に、
地面の草や根っこ、貝殻や粘菌、
いろんなものが巻き込まれていきます

タンポポの綿毛も巻き込まれていきます

フンコロガシは地面に穴を掘り
ごろんごろんと糞玉は土の中に埋められます
タンポポの綿毛もいっしょに埋められます

土に埋まって土に還ったタンポポ綿毛

その種はきっと次の春には芽を出して、
黄色の花を咲かすでしょう


この【土に還る(スカラベ)】という作品は、タンポポの綿毛の旅を通して登場してくる3種の虫たちを作品にした3部作の中の最終章です。

スカラベはエジプトにおける再生のシンボル

土に還ったタンポポ綿毛と再生のシンボルの組み合わせは、次の春への希望を感じさせます。

そのことから、この最終章は独立した作品としても発表しています

今回は、あらためておはなしを書き下ろしてみました。
作品とともにどうぞお楽しみくださいませ。


次回は今月のグラス2Hオークションに登場する【土に還る(スカラベ)】をご紹介します